ノコギリヤシとは?
ノコギリヤシというのは、北米南東部にあるヤシ科のハーブの一種になります。45cmから1mほどに広がるノコギリ状の葉を持っており、これがノコギリヤシの大きな特徴でもあり、名前の由来にもなっています。英名は「ソー・パルメット」となっています。葉は細かく鋭い棘に覆われていますので、触ると傷ができてしてしまうこともあります。夏になると小さいクリーム色の花を咲かせます。冬の初めになると、2cmから3cmほどのオリーブ型の濃い赤色の果実をつけます。
ノコギリヤシは、北アメリカ大陸固有種でもあります。大西洋岸平野からメキシコ湾岸低地でよく見られるものになりますので、日本で馴染みがないのも当たり前です。ノコギリヤシの果実には、油性物質が多く含まれており、食用や薬用以外にも燃料用としても使われています。ノコギリヤシの果実はその昔から男性の強壮や利尿、鎮静効果のために民間薬として使われてきました。最近では前立腺肥大の抑制や泌尿器系の改善、前立腺の炎症を抑える効果なども期待されています。
おそらくノコギリヤシをもっとも早く活用していたのは、北米インディアンでしょう。その昔からノコギリヤシを男性の強壮や利尿のために使っていました。ノコギリヤシは古くから中国でも「棕櫚子」という名で漢方として使われていました。泌尿器疾患の漢方薬として使われていたのです。19世紀初期の頃には、ノコギリヤシのお茶が前立腺肥大症の治療に使われるようになり、その後1950年代には男性の強壮や利尿、鎮静効果を期待して服用するようになりました。
1960年代になると、ノコギリヤシの果実の油性成分が前立腺肥大症による排尿障害に効果的であると言われるようになりました。1990年には、フランスのシャンポール博士が前立腺肥大症における効果を報告したことによって、ヨーロッパの医学界を揺るがしました。現在、ノコギリヤシの果実エキスはヨーロッパのほうでは医薬品として認可されています。天然成分だからこそ副作用が少ないということで、ヨーロッパにおいては泌尿器科医からノコギリヤシが高く評価されているのです。
ノコギリヤシはその果実に有効成分である脂肪酸を豊富に含んでいます。この脂肪酸を含むノコギリヤシエキスは5α-リダクターゼという酵素の働きを抑えてくれるので、男性の前立腺肥大や脱毛予防に効果を発揮すると言われているのです。そのため、サプリメントなどの健康食品はもちろん、育毛剤などにも含まれています。
ノコギリヤシの効能効果
ノコギリヤシにはさまざまな効能効果があるのですが、やはり育毛剤のイメージが強いという方も多いのではないでしょうか。実際に、育毛剤の中にはノコギリヤシが配合されているものも少なくありません。というのも、ノコギリヤシは抜け毛を予防する効果も期待されているのです。ジヒドロテストステロンというものがあり、このジヒドロテストステロンは皮脂を過剰分泌させ、毛穴を塞ぎ、頭皮の脱毛を促進してしまうのです。ノコギリヤシは、このジヒドロテストステロンの生成を抑制してくれるのです。
ジヒドロテストステロンによって皮脂を過剰に分泌されると、角栓が形成されてしまい毛穴を塞いでしまうのです。毛穴というのは、言ってしまえば髪の生える入り口です。これが塞がれることによって、髪が抜けやすくなります。頭皮のべたつき、頭皮のほてり、頭皮トラブルなども起こりやすくなりますし、本当にちょっとした刺激で髪が抜けるようになります。ノコギリヤシは、ジヒドロテストステロンの働きを抑制してくれるので、髪を抜けにくくし、頭皮環境も整えてくれるのです。
ノコギリヤシには、前立腺肥大症の予防や改善効果も期待されています。前立腺肥大症というのは、男性にとってとても身近なものです。初期の段階では尿がなかなか出ない、尿に勢いがない、何度も排尿に行きたくなるといった症状が出ると言われています。50歳代においては2人に1人は、65歳以上の男性においては9割が前立腺の肥大傾向が見られると言われていますので、他人事ではないのです。
前立腺というのは、ご存知ように男性にだけある生殖器のひとつです。通常はクルミ大のものが膀胱の真下にあるのですが、前立腺の尿道に近い部分に小さな結節ができると、肥大化し結節が圧迫され、前立腺が肥大化してしまうのです。男性では30歳代から見られる傾向で、年を重ねるごとに肥大化が見られる割合が高くなってきます。前立腺肥大の要因に関しては諸説あるのですが、その中でもジヒドロテストステロンの過剰作用が有力なのではないかと言われています。
ジヒドロテストステロンというのは、テストステロンという男性ホルモンが5α-リダクターゼという酵素によって変化したものになります。ノコギリヤシは、5α-リダクターゼという酵素の働きを抑制してくれるので、ジヒドロテストステロンの過剰な生成をも抑制しえくれるのです。間質細胞から生み出される繊維芽細胞増殖因子であるb-FGFが前立腺の肥大を促すとも言われているのですが、ノコギリヤシはこのb-FGFの産生をも抑えてくれるのです。こういった働きによって前立腺肥大症の予防や改善に期待ができると言われているのです。
ノコギリヤシには、排尿障害を改善する効果も期待されています。これは前立腺肥大症に伴う排尿障害なのですが、残尿感や頻尿といったものがノコギリヤシで改善されることがわかっています。もともとノコギリヤシは前立腺肥大症の予防や改善に役立ってくれるものになりますので、それに伴う排尿障害であれば必然的に改善されることでしょう。
ノコギリヤシには、前立腺炎を抑制する効果もあると言われています。炎症を促進する物質を生み出す酵素というものがあるのですが、ノコギリヤシはこの酵素の働きを阻害してくれます。これによって炎症を鎮める効果が期待できますので、前立腺に炎症が起きる前立腺炎を抑制する働きも期待されているのです。前立腺炎は残尿感や排尿痛、頻尿などを引き起こすもので、若い世代の男性にも多く見られます。慢性化すると治りにくく、細菌性のものであれば再発を繰り返すともいわれています。
前立腺炎が悪化すると、前立腺に膿が溜まる前立腺膿腫というものを引き起こしてしまう可能性もあります。炎症を促進するプロスタグランジンやロイコトリエンといった物質を体の中で合成するのは、リポキシゲナーゼやシクロキシゲナーゼといった酵素です。ノコギリヤシは、これらの働きを阻害してくれるため、結果的に前立腺炎を抑制することにもつながるというわけです。
男性に嬉しい効能効果を持っているノコギリヤシなのですが、摂取にあたっては注意が必要です。というのも、ノコギリヤシを大量に摂取してしまうと、吐き気やめまい、便秘、下痢などを引き起こす可能性があるのです。ノコギリヤシには血液の粘度を下げる作用がありますので、抗血液凝固薬や抗血小板薬を使っている方は血が止まらなくなってしまう可能性もあります。
ノコギリヤシは男性ホルモンにも作用します。そのため、胎児や乳児のホルモンバランスが乱れる可能性もありますので、妊娠中や授乳中の女性は摂取を控えるべきです。男性でも前立腺に何かしらの症状がある場合には、それが前立腺肥大症によるものであるかをハッキリさせてから摂取するようにしましょう。前立腺肥大症以外から来る症状であれば、ノコギリヤシの摂取で悪化してしまう可能性もあるのです。サプリメントで摂取する場合には、目安量を守るようにしましょう。
ノコギリヤシがペニス増大に役立つ理由
基本的にノコギリヤシというのは、男性にとってはありがたいものです。実際に、多くの男性が悩んでいるさまざまな症状にアプローチしてくれる存在です。ノコギリヤシはペニス増大サプリにも配合されていることがあるのですが、ペニス増大に関してはどのような形でノコギリヤシが役立ってくれるのでしょうか。
ノコギリヤシには、脂肪酸やフィトステロールといったものが含まれています。脂肪酸というのは中性脂肪を下げてくれる働きがあり、フィトステロールには悪玉コレステロール値を下げる働きがあると言われています。フィトステロールに関しては、一般的に高脂肪とされているマーガリンやバターにも添加されることがあるほどです。
中性脂肪や悪玉コレステロールというのは、血液に溶け込み、血液を酸化させて、いわゆるドロドロ血液にしてしまうのです。テレビの健康番組などでドロドロ血液がいかに流れにくいかを映像で見たことのある方も多いでしょう。中性脂肪や悪玉コレステロールによって血液がドロドロになると、血流も悪くなってしまいます。血流の悪化というのは、ペニス増大に限らず、体全体にとっても悪影響しか与えません
ノコギリヤシによって中性脂肪や悪玉コレステロールの値が下げられると、血液はサラサラの状態になります。血流が改善されることになるのですが、これによってペニスにより多くの血液が流れ込むようになります。ペニスがこれまで以上に勃起するようになるでしょうし、その状態をより長くキープできるようになります。そうなってくると、ペニスがゴム風船のように引き伸ばされることになりますので、物理的に増大というものが可能になってくるのです。
また、ペニスの隅々にまで血液が行き渡るようになると、細胞に必要な栄養や酸素もしっかりと行き届くようになります。栄養や酸素をしっかりと受け取ることができれば細胞は活性化し、細胞分裂を繰り返すようになります。分裂した細胞がひとつひとつ成長していけば、ペニスはまさに細胞レベルで成長していくことになるのです。それに血流が改善されることによって体の巡りもよくなりますので、男性ホルモンや成長ホルモンの分泌も正常化され、活性化されることでしょう。