ナイアシンとは?
ナイアシンはビタミンB群 の一種になります。あまり知られていないかもしれませんが、実は体の中にもっとも多く存在するビタミンでもあります。ビタミンB群は、体の代謝に欠かせない栄養素になりますので、それこそ全身のいたるところで働いています。ナイアシンは野菜はもちろん、肉や魚などにも含まれています。
ナイアシンは、もともとポーランドの生化学者であるカシミール・フンクによって発見された栄養素です。カシミール・フンクはビタミンの発見者であり、命名者でもあります。脚気の原因について研究を進めている中で、米ぬかに含まれる成分が欠乏すると脚気が起こることに気付きました。その後、1911年には米ぬかからビタミンB1を発見しました。さらなる研究を重ね、米ぬかからニコチン酸を分離することに成功しました。1937年にはアメリカのエルビエムが、動物の肝臓から分離したペラグラ予防因子がナイアシンであるということを発見したのです。
ナイアシンは、ニコチン酸とニコチンアミドの総称になります。タバコに含まれるニコチン と化学構造が似ているため、ニコチン酸と名付けられたのです。しかしながら、ニコチンとニコチン酸はまったくの別物です。タバコのニコチンとは無関係ですし、ニコチン酸は体にとって必要なものです。ビタミンB群は全部で8種類あるのですが、発見された順番にB1、B2、B3といった番号で呼ばれていました。ナイアシンは3番目に発見されたため、「ビタミンB3」と呼ばれていた時期もありますが、種類の多いビタミンB群の中で混乱しないよう名前が付けられました。
ナイアシンは、人間の細胞で補酵素として必要なものです。ナイアシンは酵素の構成成分としても体の中にもっとも多く存在するビタミンでもあります。そのため、すべての酵素のなんと2割もの酵素が働くときにナイアシンを使っているのです。食事から摂取したナイアシンはニコチン酸として吸収され、体の中でニコチンアミドに変わります。このニコチンアミドは苦味があるのがひとつの特徴です。
ナイアシンは食事から吸収する以外でも、肝臓で必須アミノ酸のトリプトファンから作り出すこともできます。トリプトファンは牛乳や卵に豊富に含まれています。肝臓でナイアシンを作り出すときには、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が必要となります。そのため、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6の不足がナイアシン不足につながることもあります。
ナイアシンは食事から摂取した糖質や脂質を燃やしてエネルギーに変えるときにも必要な物質です。体がエネルギーを生み出す際の働きにおける6割から7割にナイアシンが関わっています。ナイアシンは、他の物質と結びついてNAD という物質になります。そして、脂質や糖質、たんぱく質からエネルギーを作るために必要な酵素を助ける補酵素として働くのです。NADを必要とする酵素は400種類以上もあり、体の中で働く酵素の2割ほどを占めています。
細胞の中にあるNADが食事から摂取した糖質や脂質、たんぱく質の燃焼を促進し、エネルギーを作り出すのです。エネルギーが作り出されるからこそ、細胞や内臓も活動できるわけですし、体温を保ち、体を動かすこともできるのです。他にもビタミンEやビタミンCなどの抗酸化ビタミンが作用するときにも関わってきますので、とても重要な物質なのです。
ナイアシンが不足すると、皮膚や粘膜、消化管、神経系に異常が出るようになります。口角炎や食欲不振、不安感など症状はもちろん、細胞のエネルギーが不足することによって倦怠感が出てくることもあるでしょう。ナイアシンの欠乏症としてはペラグラという皮膚病が知られています。ペラグラはイタリア語で「荒れた皮膚」を意味するもので、日光に当たりやすい顔や手足が赤くなり、カサカサになるなどの症状が起こります。悪化すると胃腸障害や下痢、頭痛、うつ、認知症などの神経障害も起こりますし、お子さんの場合は成長障害が起こります。
中南米にはペラグラが多いと言われています。というのも、もともと中南米ではナイアシンを含む食品の摂取が少ないのです。しかも、主食のとうもろこしにもトリプトファンが少ないため、ナイアシンが不足しやすい状況にあるのです。日本では、普通に生活している分にはナイアシン不足の心配はないでしょう。ただ、大量にお酒を飲むとナイアシンが不足してしまうことがあります。そのため、アルコール依存症の場合はナイアシンの欠乏症が出ることがあります。食欲減退、口角炎、不安感などの軽い欠乏症になるかと思いますが、注意が必要です。
基本的に普通に生活を送っている分には、ナイアシンの過剰摂取になることはないでしょう。そのため、ナイアシンの過剰摂取による健康被害というのもそこまで心配する必要はありません。ただ、ナイアシンを大量に摂取した場合、皮膚が炎症を起こすこともあります。一時的なもので健康上の悪影響はないものの、悪化すると嘔吐や下痢、便秘などの消化器症状や肝機能低下、劇症肝炎などの肝臓障害が起こる可能性もあります。サプリメントなどから摂取する場合には過剰摂取に気を付けておきましょう。
ナイアシンは水溶性のビタミンではあるものの、熱や酸、アルカリ、光などに対して壊れにくく、調理や保存でもその栄養素が損なわれないのが特徴でもあります。ただ、熱湯には溶けやすいため、カレーやシチュー、スープなどにするといいでしょう。ナイアシンを摂取する基準は、ナイアシン当量として設定されています。しかしながら、実際のナイアシンの摂取すべき量や耐用上限量は、年齢や性別によって個人差があると言われています。
ナイアシンの効能効果
ナイアシンには、粘膜や皮膚を健康に保つ効果があります。ナイアシンがNADに変化すると、体の中の他の物質と結びついて、NADPというものになります。NADPは、脂肪酸が合成されるときに水素を供給してくれるものです。他にも、NADPはDNAやホルモンを作ることにも関わっています。細胞の生まれ変わりをサポートしてくれるので、特に生まれ変わりの活発な皮膚の粘膜の健康維持には欠かせません。ホルモンに関しては、性ホルモンを作るサポートをしてくれます。
ナイアシンには、二日酔いを防ぐ働きもあります。お酒を飲んだ場合、アルコール分というのは腸で吸収され、血液によって肝臓に運ばれることになります。肝臓でアルコールはアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに分解され、そのアセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解・解毒されます。このとき、アルコール分解酵素もNADを補酵素として使います。そのため、お酒をたくさん飲めば、その分、ナイアシンが消費されるのです。ナイアシンが不足すれば体内にアセトアルデヒドが残るため、二日酔いが起こるのです。
ナイアシンには、毛細血管を拡張する作用があります。血行が改善されることによって、冷え性はもちろん、肩こりや頭痛などの改善も期待できますし、脳神経の働きもよくなります。たくさんのナイアシンを投与することによって、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化などの脂質異常症を防ぐといった形で使われることもあります。悪玉コレステロール値を低下させ、脂質の代謝を改善していきます。善玉コレステロール値を低下させることなく、これらの働きが期待できるのです。ただ、ナイアシンはインスリンの合成にも関わっています。最近ではナイアシンの大量摂取が糖質の代謝を妨げるという話も出ていますので、糖尿病の方は注意が必要です。
ナイアシンがペニス増大に役立つ理由
ナイアシンは、健康のためにも欠かすことのできない栄養素です。ただ、ペニス増大を目指している男性にとってはそこまで重要な栄養素には思えないかもしれません。しかしながら、ナイアシンというのはペニス増大にも役立ってくれる栄養素なのです。実際に、ペニス増大サプリにナイアシンが配合されていることもあるのです。
まず、ナイアシンには毛細血管を拡張する作用があります。これによって、血行が促進されることになります。血行促進というのはペニス増大において、とても重要なポイントになってきます。というのも、血行促進によってペニスへとよりたくさんの血液が流れ込むようになるのです。これによって、ペニスはより強力に勃起できるようになりますし、その状態を維持できるようになるでしょう。簡単に言ってしまえば、勃起力が向上するのです。
勃起力が向上することによって、これまで中途半端な勃起しかできなかった方でも100%近い勃起ができるようになりますし、それ以上の勃起もできるようになるかもしれません。そうなってくると、ペニスが引き伸ばされることになりますので、物理的にもペニスが増大していくのです。ゴム風船を膨らませた後でゴム風船が伸びてしまうのと同じようなものです。
また、ペニスの隅々にまで血液が行き渡るようになると、細胞に必要な酸素や栄養がしっかりと届けられるようになります。これによって細胞が活性化し、細胞分裂が盛んにおこなわれるようになります。分裂した細胞が成長していけば、ペニスというのはまさに細胞レベルで成長していくことになります。
ナイアシンは、ホルモンを作ることにも関わっています。ホルモンの中でも特に性ホルモンを作るサポートをおこなっていますので、ホルモンバランスを整えることにもつながってくるでしょう。ホルモンバランスというと女性が気にすべきものと思っている方も多いのですが、男性でもホルモンバランスが乱れている方は多いものです。実際に、ホルモンバランスの乱れからペニスの問題につながっていることもありますので、ナイアシンの性ホルモンへの働きかけによってホルモンバランスが整ってくれば、ペニス増大をより目指しやすくなるでしょう。